ヴァージル・アブロー死去

LVMH、ルイ・ヴィトン、オフホワイトは、ヴァージル・アブローが11月28日（日）に死去したことを、打ちひしがれつつ報告します。彼はここ数年、ひそかに癌と戦っていました。

「このとても悲しいニュースを聞き、私たちは皆ショックを受けています。ヴァージルは天才デザイナーというだけでなく、先見の明を持ち、美しい魂と素晴らしい知性を持った男性でもありました。LVMHファミリーは大きな悲しみの中にいますが、ご家族にとって良き夫や父親であり、兄弟であり、また友人でもある彼を失った親しい人々のことを思わずにはいられません。」ベルナール・アルノー（LVMH会長兼CEO）。

2018年3月からは、ヴァージル・アブローはルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターを務めていました。

2021年7月、LVMHは、オフホワイト LLCの株式の過半数を取得し、2013年以降はヴァージル・アブローが創業者兼アーティスティック・ディレクターとなりました。LVMHとアブロー氏はまた関係性を拡大し、ファッションの領域を超えた様々な分野で、新しいブランドの立ち上げや既存のブランドとの提携を行っていくことを発表していました。

ヴァージル・アブローは、1980年にイリノイ州ロックフォードで生まれ、アーティスト、建築家、エンジニア、クリエイティブ･ディレクター、デザイナーとして活躍しました。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位を取得後、イリノイ工科大学にてミース･ファン･デル･ローエが設立した建築学の課程を修了し、修士号を取得しました。

2012年、アブローはアート作品”PYREX VISION」の発表とともに、ブランド「オフホワイト c/o ヴァージル･アブロー™」を設立しました。2013年には、同ブランドからシーズンを彩るメンズおよびウィメンズのファッションレーベルがデビューを飾り、2015年以降はパリ･ファッション･ウィークでコレクションを発表しています。

2015年には、「オフホワイト c/o ヴァージル･アブロー™」はLVMHプライズのファイナリストに選出されました。

アブローのデザインは、ハーバード大学デザイン大学院、コロンビア大学院建築学部、ロードアイランド･スクール･オブ･デザインといった世界的に著名なデザインの教育機関でも紹介されています。2019年には、シカゴ現代美術館で過去と現在の作品を紹介する大規模な展覧会が開催されました。

素晴らしい経歴からこれまでに数多くの受賞歴を持つ彼ですが、最近ではブリティッシュ･ファッション･アワードのアーバン･リュクス･アワードや、GQメン･オブ･ザ･イヤー･アワード2017のインターナショナル･デザイナー･オブ･ザ･イヤーを受賞していました。