エスパス ルイ・ヴィトン東京で、ケリス・ウィン・エヴァンスによる印象的な彫刻作品「L>espace)(…」展が開幕

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2024年1月8日までエスパス ルイ・ヴィトン東京では、ケリス・ウィン・エヴァンスによる特別個展「L>espace)(…」を開催。英国ウェールズ出身のアーティストがテキストや光で、鑑賞者を現実の境界を探求する旅へと誘います。

ケリス・ウィン・エヴァンスの作品「L>espace)(…」は、「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一貫としてエスパス ルイ・ヴィトン東京で公開されます。このプログラムはフォンダシオン ルイ・ヴィトンが企画したもので、東京、ミュンヘン、ベニス、北京、ソウル、大阪など、海外のエスパス ルイ・ヴィトンで財団が所有するコレクションを公開しています。

マルチな才能を持つアーティスト、ケリス・ウィン・エヴァンス   

映画、動画、彫刻と幅広いジャンルの作品を手掛けるケリス・ウィン・エヴァンスは、さまざまな芸術活動を通じて得た経験を作品の糧とするコンセプトアーティストです。1984年にセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートを修了後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのフィルム & テレビジョン専攻で修士号を取得しました。アーティストとしての活動は実験的映像やロックバンドのミュージックビデオ制作から始まり、88年には短編映画『Degrees of Blindness(ディグリーズ・オブ・ブラインドネス)』を発表。1990年代初頭には、彫刻に代表されるメディアを媒体とした作品を手掛け、新たな形式による創作へと移行しました。   

ケリス・ウィン・エヴァンスの作品はテキスト、光、音、ビデオなどを組み合わせ、空間における形の顕在化を模索します。コンセプトアートの見識に源流を汲みつつ、ポスト象徴主義や前衛文学に強く影響を受けた壮大な作品をつくり上げます。 

現実とフィクションの狭間を映し出す唯一無二の彫刻作品「L>espace)(…」 

エスパス ルイヴィトン東京で公開されている作品は、2007年に収集されたものです。このコレクションとともに、ケリス・ウィン・エヴァンスは光をテーマに制作した印象的な作品を通じて、不明瞭なメッセージを伝えます。鍵となるのは、事実と虚構、現実とその影、打ち立てられた確信と矛盾した感情などの間にある曖昧な領域をさらけ出す、確信的なパラドックスです。 

ケリス・ウィン・エヴァンスは、テキストやネオンを組み合わせ、真の意味での間テクスト性の分析に取り組みました。ガラスの支柱の光を反射し、幾重にも重なり合う宙に浮かぶネオン文字。また、エヴァンスはラテン語の回文を自転させることで、翻訳問題にも取り組みました。コンピューターに接続されている光が、ウィリアム・ブレイクの詩、ジュディス・バトラー、ミシェル・ド・セルトー、マルキ・ド・サドの引用文を次々と画面に映し出しモールス信号として伝えます。  

ケリス・ウィン・エヴァンスの唯一無二の作品「L>espace) (…」は、テキスト、音、動きによって、鑑賞者を惑わせ、現実への認識を狂わせるのです。