ハキム・ブラーラ

ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ
食肉責任者

職業は?

私はラ・グランド・エピスリー・ド・パリの食肉責任者として、枝肉を加工し、季節に応じて商品を生み出し、お客様に販売を行い、食肉作業員15人のチームを指導しています。チームのメンバーは能力に応じて食肉、創作、実験販売の3つの部門に振り分けて、それぞれの役割のなかで成長を促しています。私自身もラ・グランド・エピスリー・ド・パリにおいて、このすべての分野で職務を果たしています。

経歴は?

曾祖父、祖父、父と代々肉屋を営む家族に生まれた私は13歳で食肉業を始めました。法律の勉強を試みたこともありましたが、すぐに自分が本当に好きなのは食肉の世界だということに気づき、CAP(職業適性証)を取得しました。そして父が営む肉屋以外でも仕事の経験を積み、2016年に20歳でラ・グランド・エピスリー・ド・パリに入社し、2019年9月に食肉責任者に昇格しました。

この職業で感動を覚えることは?

私はお客様と接することが大好きです。父の店ではまずそこから始まり、今でも変わらず常連のお客様と話すことに喜びを感じていて、ちょっとした“お悩み相談”もやっています。調理や創作を行うこと、自分の手で最高の素材を加工すること、またそうして生み出した肉の香りなど、この仕事のすべてを気に入っているというのが正直なところです。

この職業を若者たちへ受け継いでいくこととは?

これは私にとって重要なことで、指導を行う食肉作業員には惜しみなくアドバイスをしています。この仕事に対する情熱を彼らに伝える理由は、それが、ときに辛く厳格さが求められる仕事の成功の秘訣だからです。私はパリのたくさんの肉屋とコンタクトをとり、常に新しい情報を仕入れ、新たに気づいたことを必ず自分のスタッフに伝えています。しかし決して一方通行ではなく、私もラ・グランド・エピスリーの食肉作業員から多くのことを学んでいます!

この職業への誇りは?

ラ・グランド・エピスリー・ド・パリの食肉作業員であることに大きな誇りを感じていて、これまで自分を支えてくれた父やすべての食肉作業員がそれを誇らしく思ってくれています。また彼らの期待に応えられていることを幸せに思います。そしてこの職業にプライドを持ち、勉強を諦めた人の職業ではないということをできる限り示しています。私たちは優れたノウハウを持っています。私がラ・グランド・エピスリーで得た幸運は、このノウハウと自分の創意を高めてくれる神戸和牛や鹿児島和牛、また2カ月以上の熟成肉を始めとする素晴らしい食肉を加工できることです。