LVMHはユネスコと手を取り合い、生物多様性の保護を目的とした「人間と生物圏(MAB)」計画を支援すべく5年間のパートナーシップを締結しました。

LVMH

·

生物多様性を長期にわたり保全し、IPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム、別名「生物多様性に関するGIEC」)の第7回本会議でより良い結論を導くことを目指し、LVMHはユネスコと協力して世界レベルで生物多様性を保護することを目的とした、長期政府間共同研究事業計画「人間と生物圏(MAB)」に協賛することを決定しました。MABは国際連合で提唱されている持続可能な開発を実現するために重要な、政府間で協力して行う計画で、ユネスコの主要事業のひとつです。

パートナーシップ締結を機にグループは、中国昆明市で2020年11月に開催される生物の多様性に関する条約に基づくCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)を含む、今後2年間に開催される予定の主要な国際イベントに参加します。

LVMHとグループ傘下メゾンは、生物圏保存地域に登録されている686地域における、持続可能な調達計画のための科学的調査に協力します。これによりメゾンは各地域および分野ごとの専門家の意見を取り入れた資源調達と、生物多様性の保全を行うことができるのです。パートナーシップを締結することによって、天然資源の長期調達や製品識別、品質を重視した新しい市場や原料のトレーサビリティにおける画期的な解決方法の導入も容易になります。

さらにLVMHはMAB計画の元となるリサーチ計画にも参加し、長期における生物多様性の保全と責任ある調達のパイロットサイトのインフラ整備にも貢献します。

「生物多様性や環境資源を保全するためにLVMHとパートナーシップを締結できたこと、さらにグループレベルでこの重要な課題に取り組むことによって国際的に大きな反響を得ることができることを非常に喜ばしく思います。わたしたちは生物多様性における専門知識と浸食を防ぐ強い意志があります。地球のため、そして次の世代のためにともに協力し合い活動しなければなりません」ユネスコ事務局長オードレ・アズレ

「このパートナーシップは、グループで既に取り組み始めている生物多様性保護のプロセスにおいて大きな布石となります。わたしたちはユネスコと手を取り合い、この重要な課題に立ち向かうことができることを嬉しく思います」LVMHグループ取締役アントワーヌ・アルノー

LVMHはMAB計画を支援し、生物多様性保護を推進するために、生物多様性に関する国家戦略の加盟国が2012年より実施している計画、生物多様性研究財団(FRB)の加盟国が実施する計画を継続するとともに、グループ独自の「生物多様性」保全の一環として、マルチな活動を行っているフランスの非営利組織オレやフランス化粧品・トイレタリー企業連合と協力して活動していきます。

グループの環境保全の取り組みには、LVMHとその傘下メゾンの環境パフォーマンスの向上を目的として、2012年より始動しているLIFE(環境に対するLVMHのイニシアティブ)プログラムがあり、4つの目標を定めています。

  • 「製品」目標 : 2020年までに、100%の製品の環境パフォーマンスを向上すること。
  • 「サプライチェーン」目標 : 完璧な製品の製造に使用される原材料のトレーサビリティおよび適合性をさらに注意深く監視するのと同時に、天然資源を保護する。2020年までにはプロキュアメントチェーンの70%で最高水準の環境基準を適用し、2025年には100%に到達させること。
  • 「気候変動対処」目標 : 2020年までにCO2 排出量を対2013年度比で25%削減し、気候変動に対処するために導入されたイニシアティブを遂行すること。
  • 「拠点」目標 : 製造、事務所、店舗などすべての拠点において、水とエネルギーの消費量および廃棄物産出量を含む環境パフォーマンス指標で、少なくとも10%向上すること。

上記のほかに、グループ傘下のメゾンでも独自に取り組んでいます 。

  • ゲランでは、ウェッサン島のブラック・ビー(黒ミツバチ)保護協会や、2015年からはフランスミツバチ研究所への支援を行っています。
  • シャンパーニュ メゾン(ドン ペリニヨン、クリュッグ、メルシエ、モエ・エ・シャンドン、ルイナール、ヴーヴ・クリコ)は、地域で初となる2014年にシャンパーニュの持続可能農業の認証を受け、2015年には環境価値重視認証を全畑で受けています。
  • ヘネシーは農薬使用削減計画2025を6年前倒しで目標を達成し、数年前から環境保全型農業を試験的に実践しています。

MAB計画について

「人間と生物圏(MAB)」計画は生物多様性の喪失の減少を目的とした、環境・社会・経済の観点から科学的研究を行う政府間事業です。科学、環境、社会、開発など多岐の分野に及ぶため、MAB計画は精密科学、自然科学、経済、教育などいくつかのテーマを基軸として、人間環境を改善し、自然の生態系を保全する取り組みを行っています。同計画では特に社会的、文化的、環境的価値を考慮した革新的な方法による経済開発を推奨しています。生物圏保存地域に登録されている122か国、686地域という広い範囲で行われている天然資源の保全および保護方法に関する研究活動を支援しています。