LVMHイノベーションアワード2020でLVMHグループは、パンデミックの危機がスタートアップ企業に与える影響についての世論調査を公表
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© Martin Colombet
LVMHグループのウェブサイト上で生中継され、100%オンラインで行われたLVMHイノベーションアワードの授賞式では、現在の危機的状況が起業家精神とスタートアップの健全性に及ぼす影響についての調査結果が公表されました。LVMHが経済紙レ・ゼコーと世論調査会社のオピニオンウェイと協同して行ったこの世論調査では、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大がもたらした経済の危機的状況における、フランス国内の一般市民とスタートアップのマインドセットが報告されています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が世間で目に見え始める現在、スタートアップや起業家的な発想によるエコシステムが持つマインドセットは概してどのようなものでしょうか?この問いに対してLVMHグループは、レ・ゼコー紙とのパートナーシップによりオピニオンウェイが実施した、危機がスタートアップに与えた影響についての調査結果で答えを出そうと試みました。フランス市民の代表として選んだ18歳以上の1,000人のサンプルと、LVMHエコシステムの74のスタートアップのパネル回答による、世論調査の形式を取りました。
調査では、危機がスタートアップに与える影響について、一般市民と専門的立場の人々の間では対照的な見解が見られることが判明しました。まず、2つの母集団における現状のとらえ方の顕著な違いが明らかになりました。「新型コロナウイルス感染症の感染拡大は起業家精神をより強いものにしたと思うか」という質問に対して、肯定的な回答をしたのはフランスの一般市民の20%に過ぎないのに対し、スタートアップの管理職の61%は肯定的な回答をしました。専門的立場のグループは楽観的な傾向が強く、危機が新たなビジネスチャンスを生んでいると考えていることが明らかになりました。フランス国内の一般市民では、18歳から24歳の年齢層の32%、25歳から34歳の年齢層の33%が、現在起業家精神は強まっていると回答し、世代間でのとらえ方のギャップも明らかになりました。このように18歳から34歳の年齢層のグループは、他の世代のフランス市民よりもスタートアップのマインドに同調していることが見受けられます。
スタートアップ管理職の前向きなマインドセットは、他の数字からも確認できます。管理職の88%はロックダウンとその後の緩和によって、フランス人への認知度が上がりビジネス拡大につながっているスタートアップも出てきたと考えています。回答者の74%は、ロックダウンは一般市民の間で「サービスのデジタル化」を加速させ、一部のスタートアップの急成長につながったとの見方を示し、フランス人はおおむねロックダウンは社会のデジタル化の進展に寄与したと捉えていることが分かります。
一方で、懸念事項に関してはネガティブな回答での一致も見られました。2つの母集団において、スタートアップへの将来的な投資に関して、一般市民の60%とスタートアップの58%が、パンデミックの余波で投資家の確保が難しくなると考えています。ロックダウン解除後のフランス経済への悲観的な見方が一般的であることが背景にあります。スタートアップの55%は、投資家は既存の投資先への関与に集中することを最優先すると見ています。回答者の60%は、投資家はより大きな短期的利益を期待すると想定し、スタートアップの53%はより迅速に収益率向上を達成するためにビジネスモデルを変更する必要があると考えています。
しかしながら、今回調査対象となったスタートアップが支援者に対する強い信頼を維持していることは注目に値します。スタートアップの85%は投資家に信頼を寄せていて、起業家の間には一定の楽観的なムードがあることを裏付けています。
レ・ゼコー紙やオピニオンウェイとのパートナーシップによってLVMHグループが実施した世論調査の全体の内容は、こちらから参照できます。 https://startups-lvmh.lesechos.fr/