LVMH、ビバ・テクノロジーで2022 イノベーションアワードの受賞者、および総合優勝企業TOSHIを発表

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6月15日から18日までパリで開催されている、2022 ビバ・テクノロジーの2日目、LVMHは、特別な授賞式で第6回LVMHイノベーションアワードの受賞者を発表しました。TOSHIは、ラグジュアリーなリテールブランドがより良い状態で商品を顧客へ届けるための、一人ひとりのニーズに応える、持続可能なラストマイル ソリューションを提供するスタートアップ企業。ベルナール・アルノー(LVMH会長兼CEO)、および選考委員会による選考の結果、総合優勝に選ばれました。このほか、スタートアップ企業6社が各カテゴリーで受賞しました。3D/バーチャル製品体験 & メタバース、社員体験 & 企業の社会的責任、メディア&ブランド認知、オムニチャネル&リテール、オペレーション & マニュファクチャリングの卓越性、持続可能性、そしてデータ & AI分野では1社が特別賞を受賞しています。

今年で6年目となるLVMHイノベーションアワードは、ビバ・テクノロジーのハイライトのひとつとして開催されており、それ自体が世界的なイノベーションエコシステムにとって重要なイベントになっています。LVMHは、その参加を通じて、すべての人にとってより良い未来を築くために、起業家精神とイノベーションを支援することの必要性を認識しています。またそれは、75のメゾンと独自の世界観を持つスタートアップ企業が実際に対話することで生まれる絶え間ない創造性が、いかに自らを成長させてくれるかをも示しています。

2022 LVMHイノベーションアワードには、75カ国から950を超えるスタートアップ企業の応募がありました。10カ国から合計21のスタートアップ企業がファイナリストとして選出され、とりわけ、さまざまな側面からカスタマーエクスペリエンスを向上させる手腕が評価されました。48%のファイナリストの創業者、または共同創業者が女性です。

「LVMHでは、イノベーションが生命線です。それにより、メゾンの製品やサービスの魅力を継続的に向上させることができます。2022 イノベーションアワードのファイナリストたちは、ラグジュアリーとテクノロジーの出会いをさらに育む力を与えてくれ、また、彼らの企業家精神と結びつくことで私たちの企業家精神にも刺激を与えてくれることでしょう」と、LVMHのCEO兼会長であるベルナール・アルノーは述べています。

TOSHIが2022 LVMHイノベーションアワードを受賞

2017年に設立された、ロンドンを拠点とするスタートアップ企業のTOSHIは、ラグジュアリー製品の配送に、より質の高い人間味のある基準をもたらしています。TOSHIは、顧客に最適な時間や場所で、店舗でのサービスを直接提供しています。また、物流においては、都市部の渋滞を避けるために公共交通機関を利用したり、カーボンニュートラルな配送を実現するために電気自動車を導入するなど、革新的で持続可能なアプローチを採用しています。従業員には全員報酬が支払われます。ベルルッティ、クリスチャン・ディオール クチュール、リモワがこのサービスを利用しています。

「LVMHイノベーションアワードを受賞でき、とても興奮していますし、感謝でいっぱいです。ブランドが迅速に適応しつつある消費者の新しいライフスタイルとは、生活の他のすべての要素がオンデマンド経済でまわっている、利便性を核としたものです。ブランドは、顧客に総合的にアプローチし、持続可能性を重視し、カスタマーサービスやカスタマーエクスペリエンスに注力することが求められます。TOSHIが提供するこうした自宅でのサービスは、近い将来、買い物の新常識としてスタンダードになると私たちは信じています」と、TOSHIの創業者兼CEOであるリ・ソジンは語ります。

2018年からパリのスタートアップキャンパスStation Fを拠点に実施されているLVMHのアクセラレータープログラム「La Maison des Startups LVMH」の一環として、TOSHIは6カ月間の個別サポートを得ます。

2022年受賞者 (カテゴリー別)

  • データ & AI 特別賞:MarqVision

2019年にロサンゼルスで設立されたMarqVisionは、オンラインで販売されている製品から偽造品を検出して取り除きます。MarqVisionのAI画像認識と意味解析により、ブランドは大規模に偽造品販売を検出し、取り除くことができます。大量のデータを取得し、処理することができるため、偽造品の状況を総合的に分析することができます。ブルガリやティファニーがこのサービスを利用しています。

  • 3D/バーチャル体験 & メタバース:Bitski

サンフランシスコに拠点を置くBitskiは、2018年に設立されました。ブランドは、Bitskiをエンタープライズ管理レイヤーとしてウェブサイトやメタバースアプリ、ゲームへ組み込むことで、NFTの作成、販売を行うことができます。また、ユーザーは、安全かつ準拠したウォレットにNFTを保管したり、ウォレットを異なるメタバースと容易に接続することができます。

  • 社員体験 & 企業の社会的責任:Gamino

Gaminoは2020年にフランスのナンテールで設立され、障がいに対する意識を高めるデジタルトレーニングを提供しています。Gaminoでは、障がい者の意識を完全にデジタル化し、「疑似体験」することができます。あらゆるメディアで、24時間いつでもアクセス可能です。1週間のイベントでは、参加した社員が具体的な障がいの状況を疑似体験することができます。

  • メディア & ブランド認知:SeenThis

ストックホルムに拠点を置くSeenThisは2017年に設立され、動画広告やコンテンツの表示を高速化するストリーミング技術を提供しています。すべての広告はすばやくロードされ、ユーザーのインターネット接続に最適化されるうえ、環境にも配慮しています。SeenThisは、ファイルサイズに制限のないHD品質の動画やコンテンツをディスプレイでストリーミングすることで、デジタル広告を刷新しています。

  • オムニチャネル & リテール:The ShowCase

2021年に設立され、ジュネーブに拠点を置くThe ShowCaseは、ライブビデオを通したウォッチ&ジュエリー製品のプレゼンテーションを強化しています。店舗で使用するハードウェアを提供することで、セールスアソシエイトは、パーソナライズされた、高品質で充実した製品のプレゼンテーションを遠隔で行う一方、顧客との密接なかかわりを維持することもできます。ショーメ、ルイ・ヴィトン、タグ・ホイヤーがこのサービスを利用しています。

  • オペレーション & マニュファクチャリングの卓越性:TOSHI

2017年に設立された、ロンドンを拠点とするスタートアップ企業のTOSHIは、ラグジュアリー製品の配送に新たな基準をもたらしています。オンラインストアの顧客に対しては、30分単位の正確な配達時間指定ができるうえ、事前の支払いなしに複数のサイズや「inspire me(インスパイア ミー)」アイテムを試着できる、チェックアウト・デリバリー・オプションを提供しています。返品アイテムにも迅速に対応します。ベルルッティ、クリスチャン・ディオール クチュール、リモワがこのサービスを利用しています。TOSHIは、オペレーション & マニュファクチャリングの卓越性で賞を獲得しただけでなく、LVMH イノベーションアワード 2022の総合優勝にも選ばれています。

  • 持続可能性:WeTurn

2020年にパリで設立されたWeTurnは、売れ残った商品やテキスタイルを、新たにリサイクルされた糸や質の良い布に生まれ変わらせています。完全なクローズドループから生まれるのは、環境負荷を押さえたトレーサブルなヨーロッパ製素材です。 クリスチャン・ディオール クチュールはこのサービスを利用し、アイコニックなトワルドジュイの生地を新しい糸のコレクションへとリサイクルしました。

LVMHは、それぞれのカテゴリーで際立った提案をした7社のスタートアップに称賛を贈ります。これまで以上にデジタル化が進む中、これらのスタートアップは各専門分野で卓越性を発揮し、未来のカスタマーエクスペリエンスの形成に貢献する製品とサービスを提供してくれることでしょう。

イノベーションアワードのファイナリストに選ばれた全21社の情報は、LVMHのプレスキットをご覧ください:https://virtualapartment.lvmh.com