2020年度グリーンウィーク: LVMH、生物多様性を保護するためのコミットメントを拡大

LVMH

·

2020年度欧州グリーンウィークは、エコロジカルな変化を実現する上で重要な役割を果たすイベントです。10月19日から22日にかけて開催される今年のグリーンウィークでは、「A New Beginning for People and Nature(人と自然にとっての新しい始まり)」をテーマに掲げ、生物多様性が社会と経済にどのように貢献しているかと、雇用や持続可能な成長を生み出すことでパンデミック後の世界の回復をシミュレーションする際に生物多様性が果たすべき役割を浮き彫りにしていきます。LVMHは、自然こそが同社の創造力のインスピレーションの源であり、その素晴らしい製品を作るための卓越した素材をもたらしていることを確認する機会としてこのイベントを活用しています。

生物多様性とは、地球上に存在する生命の多様性です。生物が織りなす網の目は自然の中心であり、私たちが飲む水を清浄にし、作物を受粉させ、私たちが吸う空気を浄化し、天候を操り、肥沃な土壌を保ち、薬をもたらし、産業の基礎をなす構成要素の多くを提供しています。

しかし、すべての科学者が同意するように、世界中あらゆる場所で、かつてない規模で自然が失われているというのもまた事実です。この状況に対処するため、LVMHでは、自然資本に対する影響と依存度を評価および推定し、正当性を測ることの重要性を認めています。LVMHグループは、サステナビリティと自然へのリスペクトという2つの原則に基づいて、これから進むべき指針を定めました。

LVMHのメゾンはすべて、希少な特質と長寿命の重要性が認められています。その製品は長持ちするから特別なのであり、逆に言えば、特別であるから長持ちするのです。この耐久性に優れた特質は、自然由来のものです。自然がもたらす絶妙な素材は、ブドウの木やカシミヤから花やエキゾチックレザーまで、LVMHメゾンの製品づくりに深く関わっています。従って、自然を保護することは、こうした貴重な資源を後世まで残すために絶対に欠かせないことなのです。LVMHでは、2016年以来、植物および動物由来の素材の調達時にベストプラクティスを適用するという約束を掲げ、その約束を継続的に強化しています。

再生可能な農業は、将来に向けて大きな約束を交わすものです。この農業へのアプローチは、健全な土壌とエコシステム(生物多様性、水の循環など)の機能を再生させ、ステークホルダー(農家や地域コミュニティ)に社会経済的な安定性をもたらし、上質な素材を生産することができます。この種の農業は、特定のエリアや土地の種類に応じて「カスタマイズ」されます。複数のLVMHメゾンがすでにこのアプローチを推し進めています。

たとえば、アオユンは2013年からヒマラヤ山脈の高地にブドウ園を設け、土地と生物多様性を尊重したアグロフォレストリー法を採用しています。Bodega Numanthiaブドウ園は、土壌や製品に含まれる微生物や酵母を分析し、土の健全性、ひいてはそのワインの品質を毎年確認しています。

動物由来の製品については、LVMHの「Animal-based Raw Materials Sourcing Charter(動物由来の原材料の調達に関する憲章)」の出版翌年には早くも、責任ある調達にプラスの効果が見られています。2020年に、LVMHグループはすべての動物由来の原材料の原産国を特定し、購入する原材料の70%以上で動物福祉を保証することを約束しています。さらに、6人の独立した専門家で構成される科学委員会が、同グループが使用する動物由来の原材料に関して定期的に専門知識を提供する予定です。

ロロ・ピアーナは、カシミヤだけでなく、その極上の製品作りに使用される上質なビキューナウールで有名です。このイタリアのメゾンは、ペルーの公官庁および農家と連携し、この種のための最初の保護区を創設することで、絶滅が危惧されるビキューナの保護活動を直接支援しています。

同じく同グループによる生物多様性を保護するための活動を象徴するのが、LVMHがパートナーシップを結んでいるUNESCOによる人間と生物圏の政府間科学プログラムとのパートナーシップです。このプログラムでは、生物圏内の調和を図りながら繁栄した社会を構築することを目指します。このパートナーシップの枠組みで最初に実施されるプロジェクトは、ゲランがスポンサーになっています。

LVMHは今後も環境に優しいサスティナブルなイノベーションを続け、エクセレンスとエコデザインの融合を探求していきます。複数のメゾンがこの分野で顕著な成果を上げています。その一例として、ルイナールは製紙業者であるJames Cropperと協力してシャンパンボトル用の新しいケースを開発しました。