継承とサヴォアフェール:2019年LVMHハイライト

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LVMHグループの製品の素晴らしさと世界的な影響力は、卓越した職人技とクリエイティブビジネスがもたらしたものです。そのため、これらの昔ながらの技巧と伝統を守ることは、グループの揺るぎない成功に欠かせないものです。伝統の保存は、継続的な革新や活力のある現代性と密接に関係しており、長期間にわたる繁栄のためにはどちらも同じくらい重要です。LVMHがグループ内の異なるメゾンの技術を長期的にサポートし、技術の継承を保証することに熱心に取り組んでいるのは、こうした理由からです。サヴォアフェールを継承し、守っていく姿勢は、2019年の様々な取り組みに内在するマニフェストでした。

LVMH × La Fabrique Nomade、クラフツマンシップのなかの隠れ家

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2016年に創設されたLa Fabrique Nomadeという組織は、難民の職人がフランスで継続して技術を学べるよう援助するという、新しい職業的共生のモデルを始動させました。LVMHは常に、各メゾンの素晴らしさを象徴する、独自のサヴォアフェールやクリエイティブなメティエを保護・継承していく取組みを続けてきました。LVMHとLa Fabrique Nomadeは、このような職人によるクラフツマンシップへの愛という共通理念のもとに団結し、2019年にパートナーとしての関係を締結しました。そして、Traits d’Union 4 コレクションのベルニサージュ(オープンパーティー)でこの企画の具体的な作品が披露されました。「宝物」というコレクションのテーマは、ビジュアル・イメージ・ディレクターのフェイ・マクロードが選んだものです。La Fabrique Nomadeの職人たちは、個人的な物語や思い出、または文化的なシンボルに着想を得たオブジェ、ジュエリー、洋服などの作品を制作しました。LVMHグループのメゾン出身のデザイナーたちが職人のサポートや次のTraits d’Unionのコレクションの制作の支援をすることから、2020年、LVMHとLa Fabrique Nomadeとの連携関係はより強くなっていくでしょう。

第34回イェール国際モード&写真フェスティバルでのLVMH Creative Expeditionより

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LVMHグループは、これまで21年間、イェール国際モード&写真フェスティバルのパートナーを務めています。このパートナーシップの根底には、芸術的な創造と、新たな才能の発掘に積極的に取り組むLVMHの精神が存在します。LVMHは「LVMH Creative Expedition」という特別な計画を主導するため、2019年は特に、サヴォアフェールの継承と持続可能な発展に焦点を当てています。このイベントには、『ラグジュアリーにおける持続可能性とイノベーション / 創造性の育成』プログラムの一環としてLVMHの奨学金を受けているセントラル・セント・マーチンズの学生5名と、LVMHメゾンの才能あるメンバー10名が参加し、2か所の象徴的な場所を見て歩くことでLVMHの世界を理解する機会を得ました。

Creative Expeditionにはイェールフェスティバルの才能ある若手が招かれ、ファッションの部に出品する10名のデザイナーたちが、自らのコレクションを事前に披露しました。また、参加者は「創造性の要素としての環境」をテーマとするラウンドテーブルディスカッションに参加しました。このディスカッションは、LVMH環境部門責任者、アレクサンドル・カペリが進行役を務め、「セントラル・セント・マーチンズ&LVMH 持続可能性イノベーションプログラム」のディレクターであるキャロル・コレット氏、ファッションおよびファッション産業関連の環境問題に特化したPR会社、DLXの創設者でありCEOのギヨーム・ドラクロア氏も参加しました。

LVMHのシャンパーニュメゾンに2019年ヴィンテージを確約する収穫

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例年通り、ドン・ペリニヨンやルイナール、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、クリュッグ、メルシエが所有する延べ1,700へクタール(17平方キロメートル)のブドウ畑で、3週間でおよそ5,000名がブドウの収穫作業をおこないました。異例の収穫年ということから、シャンパーニュ地方では2019年のビッグヴィンテージに期待が高まっています。

断続的な猛暑、開花の時期の遅れや熱波など、シャンパーニュ地方は例年とはかなり異なる天候に見舞われました。8月下旬には糖度が想定の2倍となり、ブドウの熟成が進みました。

ドン・ペリニヨン醸造最高責任者のヴァンサン・シャプロンは、「適度な量と極めて品質の高いヴィンテージ」になりそうだと期待を寄せています。収穫したブドウの様子から、「凝縮感と深い味わい」と「適度なテンション」のワインになりそうです。

ルイ・ヴィトン、ボーリュー・シュール・レイヨンに16軒目の工房を開設

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ルイ・ヴィトンは9月初旬、フランスに16軒目の工房を開設しました。工房はフランス西部のメーヌ=エ=ロワール県ボーリュー・シュール・レイヨンに位置し、その落ち着いて優美な佇まいは卓越したクラフツマンシップに対するメゾンの厳格な基準を反映しています。建物はエネルギー消費を最適化するように設計されており、騒音を最小限にするための吸音処理も施されています。

ボーリュー・シュール・レイヨン工房は、ルイ・ヴィトンのその他のレザー商品、アクセサリー、部品を制作するワークショップとして仲間入りしました。雇用創出や独自の専門技術の継承という現代の潮流を反映する、新しいワークショップの開設は、Ecole des Savoir-Faireの恩恵をうけています。

2010年に開設された同アカデミーにより、ルイ・ヴィトンのレザーグッズ職人はそのキャリアを通じて自らの技術を磨き続けることができます。また、LVMH Institut des Métiers d’Excellenceの学生を対象に、体験学習プログラムの一環として、レザーグッズのクラフツマンシップに特化した職業訓練コースも設けます。