ミッション・ハンディキャップ
社会責任と環境責任
障害のある人への雇用支援
目的
持続的な職業能力開発と雇用の促進に取り組んできたLVMHは、障害のある人のインクルージョンを目的とした雇用または雇用可能性を積極的に促進するプログラムを起ち上げました。障害のある人でもラグジュアリー業界に働く場所があり、完璧を追求するメゾンに貢献できるという信念に基づくものです。
2021年LVMHは、国際労働機関 (ILO) が展開する「ビジネスと障害グローバル・ネットワーク」の憲章に署名。障害のある人がグローバルの全社員に占める割合を、2025年までに2%まで増やすことを目標に定めています。
アクション
2007年より、グループが積極的に推進してきたミッション・ハンディキャップは全世界に広まっています。メゾンから集まったCSRおよび障害関連の責任者90人によるネットワークが定期的にミーティングを行い、この取り組みを支えています。
LVMHが居を構える世界各地で、グループとメゾンが協力してさまざまな活動を行っています。
米国では、2017年よりセフォラが、自社の5つの流通センターで障害のある人の雇用割合を30%にするという目標を掲げ、雇用促進に取り組んでいます。2021年には新たに109人が雇用され、障害のある人が流通センターに占める割合は10%に達しました。
フランスでは、障害のある人の雇用可能性を促進する職業訓練プログラムが導入されています。2014年より、障害のある102人が、グループのメゾンと職業訓練契約を結びました。
中国ではルイ・ヴィトンのメゾンが障害のある35人を雇用し、パーソナライゼーションの業務に勤しんでいます。
フランスでは、障害のある人の雇用を促進するために、学業訓練交互プログラムが導入されています。2014年より、障害のある102人が、グループのメゾンと職業訓練契約を結びました。また2020年からセフォラ独自のプログラムによって、単独で43名の障害のある人を雇用しています。採用時には職歴や、これまでの経験とは関係のない客観的な適正評価、各自の能力・ポテンシャルが基準になりました。
メゾンでは障害のある人の雇用を促進するために、さまざまなアクションプラン(研修、採用、職業訓練、部署の移動等)を実施しています。ヘネシーやクリスチャン・ディオール・クチュールなど他のメゾンも、障害のある人の雇用促進契約に署名をしています。
LVMHはまた、障害のある協力者もサポートしています。メゾンは各ケースに応じた雇用維持方法を提案。必要に応じた部署移動や、職務内容の変更を行っています。障害のある協力者の雇用を維持するために、2011年にモエ・エ・シャンドンはMHEAを設立。該当する協力者は自分に合った雇用条件を維持しながら、キャリアを積んでいくことができます。設立以来、MHEAは90名を新たに採用しました。
メゾン ゲランは、ヴィーヴル・エ・トラヴァイエ・オートルモンやPEP 28などの団体と協力して、画期的な職種の導入を開始しました。職務内容の分析・適応を経て、個人や周囲の人々への職業訓練も実施。重度の自閉症を抱える従業員が、シャルトルの工場に仲間入りしました。2021年から、期限なしの契約で重度の自閉症のある3名が採用されています。
フランスでは、
- LVMHは「イクルーシブ・デイ」の共同設立者に。障害のある人のインクルージョンを目的として年1回全国で開催されるイベントで、2023年には4,000人が参加しました。
- グループはARPEJEH(教育を通じて若い障害のある学生を支援する団体)の設立を支援。100社を越える企業が、障害を抱える学生のための職業訓練を実施しています。任意の協力会社もプログラムに参加し、2022年では425人の学生が訓練を受けることができました。
- LVMHは各メゾンに対して、保護労働セクターとの関係を深めるよう促しています。そうすることで、慢性的または一過性の重度の障害を抱える人であっても、自分にあった活動の場を見つけることができるようになります。保護労働セクターに委託された業務は、2022年で130万ユーロに該当します。