本社の歴史的移転が完了

ローマにおけるフェンディの大規模な移転

Fendi siège social

概要

  • 目的
    ローマを拠点とする全てのフェンディ社員を、歴史的建造物「イタリア文明宮」の本社新社屋に集結させること。この類まれな場所で、フェンディの社員は刺激を受け創造性とポジティブなエネルギーを生み出すとともに、フェンディの長年にわたる「メイド イン イタリア」へのコミットメントを示しています。
  • アプローチ
    フェンディ経営陣がリードしたこの統合プロジェクトは、最初の発表直後から全社員を巻き込み、こうして誰もが移転プロジェクトに参加することになりました。
  • 結果
    ローマを拠点とするメゾン、フェンディに新たな弾みがつきました。フェンディの一員であるという社員のプライドが、自らを奮い立たせ効率性を高めました。

 

Arches du siège social
Arches © Hélène Binet

舞台裏

2015年夏以降、ローマの全フェンディ社員は由緒ある歴史的建造物である本社新社屋、イタリア文明宮でともに働いています。「四角いコロッセオ」と呼ばれるこの建物は、1942年の万国博覧会用に1937年に建設されました。しかし、万博は実現することがありませんでした。以来この建物は、ローマで撮影された数々の映画に登場してはいるものの、フェンディが入居するまで一般に開かれたことはありませんでした。山と海に挟まれたローマで最も標高が高い地点に位置し、自然光に恵まれたこの場所は、ここで働く全社員を刺激し、創造性と前向きなエネルギーを生み出しています。

2012年、フェンディの経営陣は、当時、市内中心部と郊外の2カ所に分かれて働いていたローマの全スタッフを一カ所に集められる建物を真剣に探しており、自治体にそのことを相談しました。歴史的なイタリア文明宮の再発見に、その計り知れない可能性を瞬時に見て取ったフェンディの会長兼CEO、ピエトロ・ベッカーリをはじめ、全員が興奮しました。ローマ市との話し合いは順調に進み、2013年7月には契約が交わされました。その後、建物の新しいレイアウトをデザインし、改修の許可を得るのに1年を費やし、工事にさらに1年がかかりました。

 

Entrée du siège social
Entrance © Andrea Jemolo

2015年上半期には、フェンディの各部署が新社屋へ移りました。人事部による敏速な内部コミュニケーションや、人事と現場担当者であるフェンディ不動産管理部門とのシームレスな調整のおかげで、移転は非常にスムーズに運びました。

この過程の初期には、作業の進行に伴って生じた疑問に対処するため、フェンディ社員への調査も実施されました。本社新社屋の準備にあたっては、輸送、インフラ、その他の問題すべてが考慮されました。工事期間中は、新社屋の見学会が定期的に開催され、社員は新しい環境に慣れることができました。

Bureaux Fendi
Office © Andrea Jemolo

7つのフロアは、それぞれデザイン、サプライチェーン、生産など各部門に充てられています。それぞれオープンスペースのレイアウトとなっており、合計27室にもおよぶ多数の会議室も用意されています。全員を同じ建物にまとめることでやりとりがスムーズになり、効率が上がりました。

Andrea Cataldo, Responsable de l’immobilier de la Maison Fendi
© Studio Kippik

「フェンディの全社員が、毎日このようなすばらしい場所に出勤するときに、フェンディで働いていることを誇りに感じていると思います!」

経営陣は、社員の生活に対する負担を減らすため、あらゆることを考慮しました。地下鉄の駅から文明宮まではプライベートシャトルがあり、子供を預けたい親のためには本社に近い託児所と交渉して特別な合意を取り付けました。その他、郵便局やクリーニング店に行くなど日常の雑用をこなすためのメッセンジャーサービスといった便宜も図られています。

 

Salon Fendi
Lounge © Andrea Jemolo

スタッフが建物を「自分たちのもの」にできるよう、10月22日のオープニングを祝うイブニングパーティーに続いて、フェンディ社員とその家族・友人のためのプライベートなクリスマスパーティーも開催されました。建物の足元には透明な構造物が臨時に設置され、パーティーを楽しむ人たちは、ダンスをしながら見事なイタリア文明宮を眺めることができました。

もう一つの画期的なイベントは、フェンディの本社新社屋の姿を永遠に留めるための社内写真コンテストでした。優勝作品の写真5点は、各オフィスの壁に掛けてあります。移転の成功は、この刺激的なプロジェクトの開始段階から積極的に参加した全フェンディ社員の協力なくして実現することはなかったでしょう。

初年には効率性が飛躍的に向上し、移転の恩恵がはっきりしました。イタリアの歴史に深く根付いた本社新社屋を持つフェンディにとって、象徴的意味合いに富んだ移転を締めくくる最後の仕上げとして、社内レストランもオープンさせました。

Paolo Lauretta, Directeur Ressources Humaines Monde de la Maison Fendi
© Studio Kippik

「移転以来、フェンディは世界中のメディアで取り上げられています。この建物は単なる本社ではなく、フェンディを世界に紹介する場となりました。」

重要な数字

  • 2013 建物の改修がスタートした年
  • 500 改修されたオフィススペースの面積 (平方メートル)
  • 19000 現在、一カ所に集まって働く社員の数